戦略的売価の決定とは
原価を出したら、定価(標準小売価格)を設定してみよう。
通常、この価格は日本国内の商品ならメーカー、輸入品なら輸入業者が決定する。
つまり、あなたがあなたの商品の定価を決めるわけである。
定価はあなたが自由に決められるからと言って、感性だけでやみくもに決めるべきではない。
自分の利益がどれくらい出るかを正確に把握するために、私は、2つの方法をお勧めしている。
①コストプラス方式(加算方式)……コストを積み上げて定価を決める
商品の仕入れ原価、物流コスト、マーケティングコスト等をプラスした輸入原価に、あなたの利益、問屋の利益、小売店の利益をプラスして定価を割り出す方法である。
いわゆる、絶対に損をしない、あなたが「売りたい値段」が算出される。
反面、ライバルとの競合や、相場の値段が反映されない場合があるので注意が必要だ。
仮に、その値段では競争力がなく、需要がない場合はどうするか?
当然であるが、輸出メーカーと値引き交渉をする必要がある。
②コストブレイクダウン方式(逆算方式)……最初に定価を決めてしまう
商品には、お客様が納得すると思われる価格帯がある。
相場や商品の希少性、文化的価値を踏まえて価格を最初に決めてしまう方式で、簡単に言うと「商品として消費者に受け入れられる値段」を前提とした定価の付け方だ。
売れそうな値段として定価1000円と決めたら、1000円で売るために途中のコストを削減してゆく必要がある。
この方法の場合、あなたの希望利益を削らなくてはならない場合もある。
実際には、この2つの観点を踏まえて値付けをするべきである。
輸入ビジネスはあなたが自由に価格を決定できるという魅力がある反面、あくまでお客様ありきの世界。
あなたが「売りたい値段」と相場から見た「売れそうな値段」の2つを鑑みて、最も現実的にあなたが儲かるであろう値段を付ける必要がある。
もちろん、高い値付けをすることだけが価格設定の醍醐味ではない。
例えばユニクロのように、これまで1000円で売っていたものを500円で提供しようと決めて戦略を練る場合もある。
すると500円で売るために、どれだけコストを削れるかが勝負になってくる。マクドナルドや吉野家もそうだろう。
生産地を替えたり、仕入れる量を増やしたり、市場で勝負できる値段を決めてから工夫する。
コストブレイクダウン方式の典型である。
ただし、個人で輸入ビジネスを始めるあなたは、価格競争を意識して、低価格の設定をするべきではない。
大手のメーカーなら大量輸入、大量発注によって低価格競争に持ち込めるが、個人のインポ一夕一にはそれは不可能だ。
だからこそ、独占販売権を獲得し、あなたしか仕入れることのできない商品を高く売るべきである、というのが私の主張なのである。
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